2005年9月 7日 (水)

「愛の島」望月あんね (群像2005年9月号)

 群像新人賞優秀作を受賞した作者の受賞第一作。
 運命で繋がれた三人の娘たちは、ある日突然、自分達だけの島を買うことにした!
 軽快なタッチの言葉で紡がれた現代のおとぎ話である。彼女らは女の武器を最大限に使って、島を買うためにひたすら金を貯める。
 男の思惑を上手に手玉に取って、彼女らの島購入計画は順調に進む。
 しかしおとぎ話には必ずつきものの大どんでん返しが待っている。
 女の友情というものはいかに怖ろしいものかよくわかった。特に女三人組。男には決してわからない思考回路だ。
 
 読後、思うのは、彼女らの島での暮らしだ。おとぎ話は「末永く仲良く暮らしました」と永遠の時間に閉じこめられる。しかしそれは現実の暮らしでは不可能だ。本当の永遠を手に入れるには手段はひとつしかない。彼女らは最後の手段を使って、永遠の島の暮らしを手に入れたのだ。実際、島を買って暮らしても退屈極まりなかっただろうから、これはこれで良かったのかもしれない。
 全体的に少し岡崎京子っぽいテイストが漂い、空回りしたギャグが鼻につくが、たまにこうした元気な悲劇を読むのは妙に新鮮だ。
(群像2005年9月号)

グルメな女と優しい男
4062130254望月 あんね

講談社 2005-07
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