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2006年4月 7日 (金)

「異境」楠見朋彦 (すばる2006年4月号)

 台湾を旅する最中に腹痛に倒れる主人公。彼はとある場所で知り合った老人の親族に会うために台湾にやってきていた。腹痛も幸い軽いもので済み、老人を知る者にも会うことができた。

 実は彼自身のルーツも台湾に繋がるもので、この旅は彼にとっても深い意味があったのだ。彼は偶然会えた老人の知り合いを通して、自分自身の原形も感じたかったのかもしれない。しかしルーツがどうあれ、彼は既に日本人であり、台湾は異境としての壁を厳然と示していた。

 人は過去から現在を見ることで自分を規定する。自分の知らない過去と対峙し自分を更新する作業は想像するに相当辛いことだろう。異境とは単に空間的なものではなく、見知らぬ新しい自分という内面的なものでもあるのだ。

(すばる2006年4月号)

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