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2006年3月30日 (木)

「野良おばけ」吉田知子(文學界2006年4月号)

 どうやら主人公の女はお化けらしい。人が死ねば幽霊になるのが普通だが、どこをどう間違えたのか、この人はおばけになってしまった。おばけは幽霊より地位が低いらしく、なんだか居心地が悪そうだ。どうも人をたくさん殺さないとおばけを卒業できないらしく、おばけのくせに絶望の淵にある。なんとも不思議な味を持った話である。
 女の語り口が存在が薄そうで、いかにもおばけという感じなのがいい。死の問題に対して、おばけという意外な選択肢を出してくるところなど、若い者とは違う作者独特の達観ぶりが見えて、おもしろい。

(文學界2006年4月号)

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