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2006年3月27日 (月)

「シャルル・ド・ゴールの雨女」寺坂小迪 (文學界2006年4月号)

 悪天候のため飛行機が遅れているため空港のカフェで時間を潰す女。
 彼女は寝たきりの祖母から託された手紙を持ってパリまでやってきていた。しかし受取人の住所に目指す人はおらず失意のまま帰国便を待つ。
 そこに、パリで暮らしているという中年女性が話しかけてきた。知り合ったばかりだというのに、お互いの身の上話や、ふつうは他人に言うのが憚られるような心の奥に引っかかっているわだかまりさえも語り合う二人。異国の孤独が二人の心をオープンにしたのだろうか。
 中年女性はやがてその祖母の手紙の受取人を捜してあげると言い出す。その代わりにある条件を彼女に提示するのだ。

 雨のパリの空港というシチュエーションといい、祖母が託したフランスへの手紙といい、なんだか安いメロドラマのような設定でもうひとつリアリティに欠ける。例えば辻仁成とかなら、こういう腐女子的設定だとしても、もっとえげつないほどその設定を使い切ると思う。もう少し嘘の付き方に磨きをかけたほうがよいようだ。
(文學界2006年4月号)

ボンジュール!パリのまち
ボンジュール!パリのまち伊藤 まさこ


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