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2005年11月14日 (月)

「大きくなあれ」大道珠貴 (文學界2005年11月号)

 大道珠貴を子供の頃から読んでいると、どういう大人になるのだろうか。少なくとも「勝ち組」に憧れるような大人にはならないだろう。大人になってからはともかく、大道珠貴を読んでいれば、子供の頃にいじめられても、なんとか切り抜けられるような気もする。そういう意味でも彼女には、大人のためだけでなく、子供のためにも物語を書いてもらいたい。そんなこと言っても、「こどもなんか、ケッ」と軽く言われそうだが。

 小学5年生のアザミは成長するのを拒否している。しかし身体はそんなアザミの気持ちとは裏腹にぐんぐん成長していく。複雑な家庭環境、接し方がこれまた複雑な同級生。そんな周囲を抱えながら、アザミは成長していく。こうした世代の女児を描くのは、男性作家では難しいだろう。男児はまた全く別の世界を生きているからだ。それは互いに想像もつかない未知なる世界だ。かつて机を並べていた異性たちは、こんな世界を抱えて生きていたのだということを知るには格好の物語だろう。たぶんこれを読むべきなのは、女性ではなく、大人の男性たちなのだ。
(文學界2005年11月号)

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